Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

野島高彦の2012年

2012年の1年間にあったこと/やったことを振り返り,2013年度の方針を立てます.

年始の決意に沿って1年間を過ごしました.

人生の持ち時間は有限で,減る一方です.この持ち時間を何に使うのかが重要です.常に「未来の社会を建設するためにプラスになるか」を判断基準とました.

化学教科書を出版しました.

はじめて学ぶ化学

はじめて学ぶ化学

化学関連専門書や教科書を多数出版している京都の化学同人から執筆のお誘いをいただき,4月に私の単著で*1最初の著書となる「はじめての化学」を出版することができました.

化学講義を全面改定しました.

新しく書いた教科書を,全30回のうち19回目までの講義に用いることにしました*2.予習〜講義〜復習〜試験対策までの流れが整理され,化学を専攻しない学部1年生が,効果的に化学の基礎を学べる環境が整備されました.
講義内容には前年度の授業評価アンケートをフィードバックさせています*3

講義の記録はすべてオンラインで公開しました.2009年の第1回から継続しています.

前期・後期ともに授業公開期間に全講義を公開しました.また,私の化学講義に関心を持つ全ての学生に対して講義をオープンにしました.

大学基礎演習Bを一部更新しました

昨年度の演習では進行度合いの時間を計測していました*4.その結果に基づき演習内容を整理して,時間的にムリのない進行にしました.履修者約20名のところに22名の希望があり,この人数でスタートしました.途中挫折者ナシ.最後まで適正人数で演習を行うことができました*5
演習の記録はすべてオンラインで公開しました.

研究成果を論文と学会発表で公開しました.

論文

査読審査付きの学術論文を2本出すことができました.共同研究者のみなさまにお礼申しあげます.
(1) Takahiko Nojima, Shohei Kaneda, Hiroshi Kimura, Takatoki Yamamoto and Teruo Fujii: Application of cell-free expression of GFP for evaluation of microsystems. Frontiers in Bioscience, Vol. 17, January 2012, p 1931-1939

(2) Shohei Kaneda, Koichi Ono, Tatsuhiro Fukuba, Takahiko Nojima, Takatoki Yamamoto and Teruo Fujii: Modification of the glass surface property in PDMS-glass hybrid microfluidic devices. Analytical Sciences, Vol. 28, January 2012, p39-44

学会発表

3月に慶應義塾大学日吉キャンパス・矢上キャンパスで開催された日本化学会第92春季年会で研究発表を行いました.
(1) 野島 高彦,山本 貴富喜,木村 啓志,藤井 輝夫:蛍光蛋白質の生体外発現を演算レポーターに用いるDNAロジックゲート.日本化学会第92春季年会,演題番号4D3-15.

キャンナビ


新人勧誘が順調に行き,アクティブな1年生が多数メンバーに加わってくれました.また,2年生や3年生の新メンバーも加わりました.

大学広報ムービーの制作お手伝い+ちょこっと出演

映像情報課の専属カメラマンが担当する大学紹介ムービー制作に巻き込まれるようになり,ムービー中にもちょこっと出演するようになりました.ムービー制作のクリエイティブな面は別業務にも応用できます*6
↓オープンキャンパス番外編2012告知ムービー(27秒目あたりに出演)

↓春の大学説明会告知ムービー(40秒目あたりに出演)

↓オープンキャンパス番外編2013告知ムービー(32秒目あたりに出演)

キャンナビ公式サイトを制作しました

ブログ,Twitter,Facebookページはあったもものの,情報を一元管理するサイトがなかったので,1月に大学のWWWサーバー内に公式サイトを開設しました.「こんな感じにつくってくれー」というリクエストにこたえてhtmlを書きました.ときどき更新*7

ネット利用ポリシー制定のお手伝い

キャンナビの学生が主体となったSNS運用ポリシー制定をちょこっと手伝いました.原案を学生2名が持ってきたところからスタート.副学長のチェックも受けてOKを頂きました*8

プレゼンテーションのやりかた

キャンナビのメンバーが学内外でプレゼンを行う機会が増えてきました.というわけで12月のミーティングで「伝わるプレゼンテーション」の技術を伝授しました.

海洋生命科学部1年D組のクラス主任をつとめました


1年生35人クラスの担任を務めました.アクティブでポジティブな学生が集まっており,クラス運営に手こずることはありませんでした.全員が揃って2年生に進級してくれるといいのですが.

イベントいろいろ

今年も学生といっしょにイロイロなことをやりました.

2月5日,2011年度第2回懇和会でサンシャイン水族館へ


2011年度第2回の懇和会は池袋で開催.ランチ食べ放題→サンシャイン水族館見学→ティータイム.第1回目に引き続きアレコレやってくれた幹事の看護学部Aさんに感謝します.

2月17日,希望者を募って化学実習室でガラス細工


化学実験で体験した「毛細管づくり」をもういちどやりたい,という声にこたえて,ガラス細工体験教室を開催.化学実験を履修しなかった学生も加えて楽しいひととき.

5月26日,海洋生命科学部1年D組のクラス会でバーベキュー


年に数回開催される「クラス会」の第1回目として,学内バーベキュー場でバーベキュー大会を開催しました.クラス委員2名をはじめ率先して動いてくれる学生が多く,準備から片付けまで順調に進みました.

8月4日,2012年度第1回懇和会で多摩動物公園へ


2012年度第1回の懇和会は八王子市内で開催.八王子市内でランチ食べ放題→多摩動物公園見学.「たくさん食べたい」と「生き物をみたい」のリクエストに応えました.

10月8日,国立科学博物館で「元素のふしぎ」展見学


2年前に化学を履修した臨床工学専攻3年生が中心になった企画.最終日の国立博物館へGo!

12月2日,2012年度第2回懇和会でしながわ水族館へ


第2回も「たくさん食べたい」と「生き物をみたい」のリクエストに応えました.品川駅前のレストランでランチバイキング→しながわ水族館.

10月18日,海洋生命科学部1年D組のクラス会でバーベキュー2回目

12月5日,学内バーベキュー場でヤキイモ大会


臨床工学専攻3年生が幹事となって開催されるイベント3年目.40人を超す参加者がありました.幹事の るーさん@ruray71に感謝!

12月13日,スイパラ町田モディ店でケーキの食べ放題


臨床工学専攻1年生のGさんが企画.

学外活動

小学校で化学実験


2006年度から続けている,公立小学校での理科教室を,今年もやりました.

日本分析化学会「分析化学」編集委員任期終了

2月末日で日本分析化学会の月刊誌「分析化学」の編集委員が任期終了となりました.

日本化学会「化学と教育」編集委員に就任

3月1日に日本化学会の月刊誌「化学と教育」の編集委員に就任しました.

学内業務イロイロ

外国語単位の学内紙に寄稿しました.

ライトなノリで書いたのですが,コレが外国語担当の先生方から好評で,演習科目の教材として配付されていた模様です.私の書いてきたブログ記事の中ではもっとも はてなブックマーク数を集める内容になりました.

北里大学公式SNSアカウントを運用しました.

総務部広報課から送られてくる情報を編集し,Twitter,Facebookページ,mixiページで公開しました.それぞれ共通して388件,合計1164件の情報公開です.Facebookページの全国ランキングでは北里大学が全国26位まで上昇しました(6月2日)*9

新任教員研修会でSNS利用法について解説しました.

SNSで学生とコミュニケーションをとっている実例を紹介しました.

学内委員イロイロ

6月末日で相模原キャンパス防災管理委員会委員と,一般教育部防災対策委員会委員の任期が終了しました.引き続き北里大学入学アドバイザー,学習サポートセンター(ASC)運営委員,一般教育部ホームページ委員会委員をやっています.7月からはこれらに加えて一般教育部教育委員会委員,高等教育開発センター運営委員を兼務しています.

情報公開

ブログ記事:この記事を入れて153件.継続は力なり(たぶん).

2013年度の計画/抱負

攻めの姿勢です.ものごとを有機的に結びつけて行くときの攻めの姿勢.引き続き偶発的な出来事に巻き込まれて行くおもしろさを楽しみつつ,Universityの可能性を試せる機会には積極的に関わって行きます.

追記(2013-01-01)

2013年の過ごし方→2013年の過ごし方:目標は設定しない(2013-01-01)

*1:共著の専門書は2004年に出版したものがあります.

*2:20回目以降は教材を配付しました.

*3:「大学では年柄年中アンケートに回答させられる.学費を払ってアンケートに答えてばかりって,なんなの!?」という声をよく耳にします.授業時間を使って回答に協力したアンケートの結果について,学生は知る権利があるし,その結果は公開されるべきだと私は考えます.そのため,アンケート結果が届いた際にはオンラインで公開しています.

*4:ありとあらゆる業務について費やした時間の長さを記録しています.次に同じことをやる時には,その記録に基づいて時間を配分しています.アクシデントでも生じない限り「時間切れになっちゃった〜」にはなりません.

*5:グループディスカッションをやって,続いてグループごとの結論を比較して,という流れだと,90分の演習で20人〜30人が限界です.

*6:講義スライドの制作とか,ものごとを解説するときのハナシの組み立てとか.

*7:途中から学生にhtml編集を任せようと思っていたのですが,その機会を逸してしまいました.来年度の課題.

*8:このあたりから大学内のSNS関連業務のアレコレに深く関わるようになってきました.

*9:「いいね」数でランキングされるので学生数や卒業生数の多い大学が有利.という状況下で健闘していたのですが,ただいまランク下降中.